今日は新聞で見かけた事件から、考えてみたいと思います。
石川県南部で、「供養と称して女性の胸を触った」という自称僧侶が逮捕されました。
この自称僧侶は、参拝に訪れた女性に「供養をする」と本堂内に誘い入れ、胸を触るなどしたとのこと。
*報道では容疑者が性的な行為については否認しているとありましたので、こちらでは具体的な地名や名前は伏せました。
この自称僧侶の男性、実は、「女性に抱きついたら、(一緒に来ていた)男に暴行された」と犯行後に近くの交番に通報しています。
ですが、女性が、被害を届出たので経緯が明らかとなり、自称僧侶の男性は逮捕されました。
* * *
私は、WEN-DOのセルフディフェンス講座で、「出来事について、必ず届出をすること」をつよくお薦めしています。
それは、事件情報を社会で共有するという一市民としての義務みたいな面もありますが、
何よりも、通報することまで含めて“セルフディフェンス”だから。
報じられた事件のように、加害者側が警察に、傷害としての被害届けを出す可能性があります。
そのためにも、通報はぜひ前向きに検討して行なってほしい、お伝えしています。
こちらが容疑者にされないように『自分を護る』ためにできることは、こちら側なりの事実を警察に通報すること。
* * *
ところで。
女性側の言い分が真実である(自称僧侶が女性に性的暴力を行なった)場合、
冷静に考えれば、女性に性的暴行を行なった時点で自称僧侶の彼は自分が加害者。
なのに、自分から警察に飛びこむなんて、不思議なことです。
どんな感覚で彼は、この一見不思議に思えるような行動をとれるのだろうか…と、少し思いを巡らしていました。
メンツを傷つけられた腹立ちが強力すぎて、自分のしたことなんて忘れて飛んでしまうため…?
それとも、『女は自分から性的な被害について口外するなんてできやしまい(自分が何をしたかはバレないだろう)』と考えている…?
いや、でも、(女性のパートナー的な男性からの)暴行について警察に通報したところで、パートナー男性から「それはこういう経緯があったからだ」と語られたら、僧侶と名乗る彼が女性に性的な加害をしていたことが明るみに出るのなんて、時間の問題だということも、すぐ想像できるだろうし…。
…といろいろ思い巡らしていたところで、仮説がひとつ浮かびました。
彼(自称僧侶)は、『こっちは何もしていないのに(ちょっと女の身体には触ったけど暴力を振るったわけじゃないし、金を取ったとか、さして悪いことをしたわけじゃないのに)、あっちは暴力をふるってきた!』という感覚なのかな?? と。
仮説(想像というか妄想?)にすぎないので、それが本当にあてはまるかどうかは置いておくとして、
私がそのように思いついたのは、実際、社会には、性的暴力を軽視する傾向が根強く残っていると、私が感じるからだろうと思うのですね。
「たいしたことではない」「減るものではない」「女として魅力があるという証拠。被害だなんて考えなさんな」などなど…。
『社会』には、『私』も含まれます。
私の中にも、そういった感覚が、あるかもしれない。
というか…、
「ない!」ときっぱり言いきれるほどの自信が今の私にはない。
けど、「あってほしくない!」となら思えます。
まずは「あるかもしれない」と意識しつづけることでしか、自分を変えていけないので、これからも自己点検を重ねていこうと思います。
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(c)「女性に役立つセルフディフェンス」WEN-DOインストラクター 福多唯
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