こんにちは。わかりやすくて納得の護身法 Wen-Do(うぇんどー) の福多唯です。
金沢市内の小学校の6年生(女性)と、授業で護身法をしてきました。
こんな感じです。
っていきなり出されてもなんのこっちゃ…かと思うので、
授業展開とともに記録・ご紹介します。
開始時にいつも思うのは
「身体的なものだけが暴力ではないと、理解してもらえたらいいな」です。
小学校の授業はたった45分。そのうち30分は身体動作の体験時間にしたいです。
学校での護身授業では、最低6種、動作に関して伝えたいことがあるので(それは後述)。
…となると、
レクチャーできる時間は15分だけか?
この短い時間でわかることを、
授業の大部分になる身体動作の記憶と同等以上に高めたい。
なぜなら、
2002年からずっとWen-Doをしてきて驚いたことに、
成人対象の講習で、一番多く上がる声は、↓だから。
『相手がこちらに、たとえば殴りかかってくるとか、抱きつくとか
何か明らかにおかしな行為をしているならやりようがあると思うんです。
そうでない段階が、一番、困ります。
何もされていないのに何かをすることはできないので』
ここで、
「雲行きが怪しくなったらその段階で相手から離れるなり、何かすればいいのに」と
思う人もいるかもしれないのですが、
「この程度のことを暴力と見立てるのは、ちょっと…」と、
迷う人もまた、多いものなのです。
なぜなら、多くの場合、加害者は知り合いや近しい人だから。
身体的なものだけが暴力ではないと私たちは気づいておく必要があるし、
知り合いや近しい人が無自覚に暴力的言動をしてくることがあると、知っておく必要がある。
とはいえ
「暴力は殴る蹴るだけではありません。
心が傷つくようなことを言うのもするのも暴力です」と語って聞かせても、
そんな方法は、ほとんど意味がないなと思うわけです。
実際、人は聞いただけのことは忘れやすいそうですし。
上記は人が学習した内容を記憶に留める割合と手段との大まかな関係性を示したもの。
聞いただけだと5%しか覚えていない…。
悲しいけれど、ほぼ納得です。
私も、夫や子どもからの頼まれごとで、耳で聞いただけのことは大抵忘れます…。
6年生の皆さんに『暴力とは何か?』を掴んでもらうために、
そして、暴力をなくすために大事なことについても考えてもらうために、
小学校での護身授業は以下のように進行しています。
①『暴力ってなあに?って、もし2年生から聞かれたら、
皆さんだったらどのようにお返事しますか』
最初はシーンとなるのだけど
「近くの友達と相談してもいいですよ」として、
「相談してみて、どうでした?」と聞くと、答えてくれる子がチラチラ出てきます。
ここで私は、できるだけ3つまでは「他にありますか?」と呼びかけることに決めています。
ふたつだけだと、(同じことを違う言葉で言っているだけだなあ…)な意見で
とどまっちゃうこともあるのだけれど、
さらにそこで「他にもまだ何かありそうでしょうか?」と聞くと、
異なる視点の意見が出てきやすいからです。
この日は『暴力』の右側の、白字の3つが出てきました。
②『今、いろいろな意見が出てきて、どれもそうだなって皆さん思えているかと思います。
じゃあ、これの共通点って何でしょうね?
2年生は、ここも、説明がないとわからないかもしれません。
でも6年の皆なら、みんなで考えたらわかるんじゃないかな。
共通点は、何だろう?』
出てきた意見を受けて、ピンク字で書きました。
・人がイヤな気持ちになる
・人がかなしい気持ちになる
・心が傷つく
嬉しい!
すごいぞ!
これを抑えたら、身体的行為の有無にかかわらず、いざという時に逃げやすくなるはず。
授業ではもう一つ押さえました。
③「暴力って何なのかがわかりやすくなりました。
じゃあ、暴力をなくそう!って
みんなで学ぶときに何が大事かも、見えかけてきたでしょうか。
暴力をなくすためだからといって、暴力的なやり方だったら意味がないよね。
今からの時間で、私たちは、何を大事にしたらいいと思いますか?」
黒板には書かなかったのですが、
・嫌な気持ちになる人がいないように、
・悲しい気持ちになる人がいないように、
・誰かの心が傷つくやり方になっていないかな?と気をつけながら授業したり学校生活を送ったりする
との声が上がりました。
お気付きの方もいらっしゃる通り、
暴力の定義に関して、小学生があげてくれた「共通点(上の黒板写真のピンク字)」を
ひっくり返した表現になっています。
こんな方針で、体の動作のこともやりましょう!と合意もできました。
プチ・アクティブラーニングな15分を終えて、
そのあとの30分は身体動作。
・ボディランゲージの使い方
・手の使い方
・足の使い方
・体幹の使い方
・捕らえられたときの発想のポイント
・首に手をかけられたときの逃げ方
という感じで、45分終了です!
身体動作はともかく、
《暴力をなくすために大事なことを考える》なら、
一般の方がおうちでも、そして親子活動などでも、きっとできると思います。
というわけで、ヘナチョコな手書きですが、シート写真です。
どうぞ使ってください♪
《いじめをなくすために大事なことを考える》など、
テーマを変えてもやり方は同じで行けると思います。