こんにちは。Wen-Do Japanの福多唯です。
金沢市の護身術講座に行ってきました。
男女共同参画推進のための出前講座という制度で
小学校1年生から成人まで様々な年齢の人が参加してくださると聞いて、
男女共同参画と護身術のつながりについて、
1年生にもわかる説明が必要だなあ…と準備をしました。
偏ったものの見方や考え方が『ふつう』とされてしまう社会では、
人々が自分の考えや意見を実現して生きるのはかなり難しくなります。
みんなの感じ方や考え方や何をしたいかは、幅が広くて異なっていることが多いからです。
たとえば、
「身長が160センチ以下の人間が、学校にいきたがるなんてけしからん」と言う人がいたら?
けしからんのはあなたの考えのほうですと、多くの人が思うことでしょう。
感じかた・考えかた・行動について、
こうであるべきだ、これがふつうだ、
この人はこれをしてもいいけどこっちの人はダメ、などと決められたら、
どうせ言ってもダメなんだもん!って、
人は、自分の意見を言う気力をなくします。
どうせ言ってもダメなんだもん!って思ったら、
考えることもしなくなるかもしれません。
肌の色が何色なのかとか、
どこで生まれて育ったのかとか、
どの親から生まれたのかとか、
自分では選ぶことができず、変えようのないようなことを理由にされたらなおさらです。
ロボットが人を支配するSFの映画を、みなさん、見たことはありますか?
人が考える気力をなくして、ほんとうにあんな風になったら大変です。
だからそうしたおかしなことについて、決まりにされてしまっていたものは、
世界中で少しずつ変えられてきました。
身分制度や奴隷制度なども、減ってきました。
そんな中で、
日本にも世界中にもまだ共通して残っていることとして、
「女なのに…」とか「男なのに…」と
性別で人を区分けしようとしてしまう考え方やきまりがあります。
もしも、カレーライスが大好きな子どもがいるとします。
その子が、カレーについて感じたり考えたり行動したりすることを
世の中の大人たちから「そんなのはヘンだ!」「子どもなのにそんなことをするなんてけしからん!」とか「逮捕だ!」とされるとしたら、
どうしてダメなんですか?と
こんな暴言や決まりは、この子がカレーを大好きでいる権利を奪う暴力ではないですか?と
多くの人が思うことでしょう。
それと同じように、
「女がそんなことを感じるなんておかしいぞ」とか、
「男がそんなことを考えるなんてヘンだ」とか、
「女が/男が、そんなことをするなんて良くない!」など
今はまだ残っている思い込みに気づいて、それを良い方向に変えていこう、というのが
ちょっと難しい言葉なのだけれど、男女共同参画を進める、ということの中身です。
暴力は、
「こういう人はこういう思いをしてもいいんだっ」
「こういう人がこんなことをしようとしたら、こらしめてやる」
などの考えがもともとにあって、起こります。
みなさんも
「子どものくせに」とか、「女のくせに」とか、「男のくせに」と、
言われたことがあるかもしれません。
そうした、暴力につながる考え方を持つ人は、
私たちをこらしめようとしたり、イヤな思いをさせて言うことをきかせようと考えて、
私たちの身体に危険なことをしようとしてくることも、
もしかしたらあるかもしれません。
だから、男女共同参画をすすめるみなさんが、危険な目にあわないように
男女共同参画の勉強のなかに、護身術があります。
護身術や、暴力の防止について勉強することは、
みなさん自身に個人的に役に立つだけではなくて、
より良い社会づくりにも役にたちます。
…とがんばってみましたが、
やっぱり低学年のお子様にはまだ難しかったみたい…かな(^^;;
高学年のお子様や保護者さんは「うんうん」と聞いてくださっていました。
低学年のお子様にもニコニコと講座アシスタントなどで活躍していただいて