先日、男女共同参画の推進のために活動をなさっているサークルでの、
茶話会講話(←勝手に名付けました)の指南役をさせていただきました。
その講話で活躍したのは《あたかも形式》!(って何ですか
どんな活動でも、ベテランさんと最近関心を持ち始めた人とでは
知識や経験の量に差がありますよね。
男女共同参画関連の活動ではそうした難しさに加えて、
メンバー間で異なるイメージを持つことがあり、
その戸惑いや乗り越え方も課題になりやすいです。
事例は省きますが、たとえで言うと、
アジサイの花を咲かそう♪という考え方に賛同し、皆で同じ行動をとったはずが、
結果として異なる色の花が咲いてしまって、まるで別物みたいに見えて…あれ?みたいな。
そうなってしまう原因は「土壌」です。(環境要因は今回は省略します)
「土壌」が違うと、同じ考えで行動したつもりが、結果として枝分かれすることがあります。
誰にとっても「土壌」って、本人には当たり前に最初からそこに在るから、
結果が出てからでないとお互いに、なかなか気づけない存在なのですよね。
今回の茶話会講話では、この先の活動でメンバーさんが「あれ?」とならないように、
メンバーの皆さんがWen-Do (女性に対する暴力防止)や
男女共同参画について共通の土壌を持てるよう、理解を深めたいのです、というご要望でした。
各自が自分の土壌を自然に自覚し、またお互いのそれを無理なく受け止め合える空気作りには、
『思いや疑問・もやっとしている気持ちを、仲間として対等に無理なく話せる』要素が欠かせません。
そのため、今回はこんな準備で臨みました。
それぞれの紙に3つずつ、
メンバーの皆さんから出してもらいたい複数の質問(=福多が話そうと思う複数のトピック)が
書かれています。
質問は計12個考えて、6枚に散りばめました。
折ったのは単に私の楽しみで(地味に、折り紙が好きなのです)、普通の4つ折りでも構いません。
多少選ぶのが楽しくなればいいなと思って(^-^)。
メンバーさんは、時計回りで、その紙にある質問から1回にひとつずつ、
「これならきいてみたい」と思える質問を福多にします。
または、紙に書かれた質問から連想されて浮かんで来た質問でもOKです。
福多が質問に応えたのちに、
他のメンバーさんも何か思いが出て来たら、自由に発言できます。
対話が一区切りしたら、時計回りで次のメンバーさんに…と、ぐるぐる回します。
《あたかも形式》には様々なやり方があり、
今回は、あらかじめ質問を用意する方法を採りました。
* * *
あたかも、自分が質問をしたかのような気持ちになれる。
あたかも、自分が場づくりのきっかけを提供したかのように感じられる。
幼い子に包丁作業を任せる時に、いきなりりんごとかをぐるぐる螺旋に剥かせる人はおそらくいません。
カステラとか、牛乳かんとか(笑)、
「別に包丁がなくても分けられるんだけどね、うん」なものを使って、
『うわあ! 上手に切れたね〜』と
その子があたかも包丁が上手に使えたと思えるように、大人はサポートするものです。
サークルメンバーさんは大人なので、
《あたかも》とされていることはわかった上で、大人だからこそ、こちらの提案に乗っかってくださっているわけですが(だから、助けられているのはこちらです)、
それでも『参画』することで身が入りますし、
そうした場で考えたことや発言したことは、ご自身の深いところに染みるものです。
その日も、私が想像していたよりもずっと早く
メンバーさんからの意見が自由闊達に出てくる場になりました♪
普段からそれぞれの発言を大切にミーティングをなさっているのだろうなと感じました。
上記の紙は、ある方に回ったもの。
その方が選んでくださった《あたかも質問》は
「自分で自分を守る『護身力』をアップするために、一番大切な力は何?」
私のお返事は、ひとことにするとしたら
自分で自分のことをわかる力 です。
もうちょっと詳しくすると、
(1)「私は今、どんな感じ?」をキャッチする力
(2)(1)にふさわしい思考を展開する力
(3)(2)にふさわしい行動を選択する力
そんな風に思っています。
《あたかも形式》は、ファシリテーションや質疑応答のスキルアップにも役立ちます。
もちろん、なんらかの目的を持って活動するサークルメンバーの方々にも。
《あたかも形式》を自作できるかどうかが
そのテーマについての構成力を持てているかどうかの指標になるからです。
やってみるとそこがわかり楽しいです。機会があればぜひ♪