女性のためのセルフディフェンスWen-Doの福多唯です。
《子どもに護身術を教えたいママ向け講座》で、
「暴力は、人をどんな気持ちにさせ、それはつまり人から何を奪い取るものなのか」を考えてみる場面があります。
◎もうダメだと思わせる→(暴力は人から)希望を奪う
◎自分が悪かったと思わせる→自分に対する 自信、尊重、敬意を奪う
◎信じてたのにと愕然とさせる→他者に対する 信頼(感)を奪う
◎(加害者に)許してもらわなきゃ、と思うようにさせる→主体性を奪う
◎自分にできることなんて何もないと思わせる→自主性を奪う
◎なんで突然こんなことに…と混乱させる→安定感、恒常性、安寧を奪う
暴力は、その、人が生きていくのに欠かせないニーズ=根源部分を
だからこそ、護身について周りや子どもに伝えようとする人(親)は、
自分の関わりかたや語りかたが、相手のそうしたニーズを損なうものとならないように
たとえ護身の身体技を教えることが出来ないとしても、
そうした日常の積み重ねをは、お子さんの護身力の基礎固めにつながります(^-^)
そうそう。ここまで書いたら、
「今のお話、とっても大事だってことはわかるんですが、
…こんなこと、自分で考えて答えを見つけるべきで質問するのは違うのかもしれませんが…
子どもに対して、ものすごくイライラカリカリしちゃうことがあって、
感情がそうなってしまうと、もうダメなのです。
そこで言葉の表面だけを取り繕っても意味はないですよね?
子どもにイライラカリカリしているときは、どうすればいいんでしょうか?」
うわあー。よくその質問をしてくださいましたね、と言いたい気持ち(←ベタ過ぎるのでそうは言わないけど)。
そうですよね、そうですとも。
そこは実はとっても重要で、そこだけでも多大な時間をかけて学ぶ値のあるところ。
講座では時間の関係で要点をお返事しました。
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人が感じる悲しさとか寂しさとか恐れ、怒りなど、
どちらかというと不快な気持ちは、
そのときのその人にとって大事なニーズが損なわれかけているサインです。
例えば子どもがうるさく感じられて、思わず「うるさい!! 静かにしろ!!!!」と怒鳴りたくなるような場合。
そのときのその人(怒鳴りたくなっちゃう人)が求めるニーズは
『静けさ』
『(その人が読書や勉強をしているとしたらその人の行為への)尊重』
どれが最も重要なニーズなのかはそのときのその人にしかわかりません。
きっと、何か、損なわれかけている『とっても大切なもの』があるのは間違いないです。
それをその人自身がわかっていたら、どうでしょう。
「うるさいっ!」ではなく、
あるいは、
子どもに「うるさい!」と言いたい衝動が、スーッと引いて納まっていく…なんてこともあり得ます。
ニーズと自分がつながるってとても大事。
イライラっとしたときほど、本来なら、自分で自分に優しく関わってあげる必要があるのだと思います。
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ご質問をくださったかたはちょっとうるうるしていらっしゃいました。
大事なものが損なわれかけている というただそれだけの説明でも、
質問をしたご本人にはガーンと来るくらいにわかるんのですよね。
だって、焦がれて焦がれて焦がれて、のどから手が出るほどそれが必要で、
でもそれを手にできなくて、いたたまれなくて、辛い中にいるんだもの。
自分が一番、自分の辛さを良く知っている。
だからこそ「イライラすると止まらない。どうしたらいいのか」と尋ねてくださる。
ニーズに気づいたところでニーズを満たせるかどうかはわかりません。
人の手を借りないと難しいことも現実にはあります。
でも、自分に対して温かい意識とやさしい眼差しを向けて、自分の求めるものがわかるようになるだけで、
辛さの全体像は変容しはじめます。
ご質問をくださったかたの辛さが、抱えやすいものになっていますように。
自分で自分に優しくしてもいいんだ。って、思えるようになってくださっていたらいいな。
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11月17日(日)午後、
《女性に対する暴力をなくす運動週間》Wen-Do体験会をします。
詳細はこちらのエントリーにて。
http://wendosd.exblog.jp/21267176/
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