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セルフディフェンス情報

頸部圧迫での窒息死?

*これは2013年に書いたものです。2020年のアメリカの事件を受けてかアクセスが増えているので、少し見直して書き直した部分がありますが、ほとんどは2013年のままです。


こんにちは。Wen-Doの福多です。

愛知県での女性殺害の事件で胸を痛めていらっしゃる方は多いかと思います。

それに関する報道で「頸部圧迫による窒息死」という言葉が出てきました。

今日はその関連で、通常の講座では省いている補足豆知識を。


  *  *  *  *


Wen-Doの短時間講座では、首に手をかけられたときの外しかたを皆で体験します。
そのとき、私を含めてほとんどのインストラクターや講師は

「こうなっていると…気道が塞がれているので/圧迫されるので…」

という説明をしているかなと思います。


実はあの説明は、受講の皆さんにわかりやすくなるように、細部を端折っています。
正確には、首に手をかけられているとき、
気道と頸動脈の、両方を圧迫されていることが多いです。


その両方を考慮すれば気道だけのことを言うべきではないですし、
「こうなっていると」という曖昧な表現よりも、
首をしめられると窒息するので…」の方が適切かもしれないのですが、


「クビヲシメラレルと…」というストレートすぎる表現は、
ある人々にとっては、過去の体験を想起させる引き金になりやすいので


それらを考慮して、
「こうなっていると、気道が塞がれているので…」という表現を採用しています。


というわけで、
正確には、首に手をかけられて締められているとき、
気道と頸動脈の、両方を圧迫されていることが多いです。

頚動脈を圧迫されると窒息する、とは、どういう現象なのでしょう。



  *  *  *  *  *


話が飛ぶように感じられるかもしれませんが、ここで心肺蘇生の話題を。


人がなんらかの傷病で意識がなくて呼吸もない…となったときに
心肺蘇生をして救急手当てをしましょう…は、消防署や赤十字等の救急法等で伝えられていますよね。


救急法に参加したことがない人でも、ドラマ等の影響もあって、
なんとなくでも
人が危険な状態になったら、胸部をバクンバクンと繰り返し圧迫して、
いわゆる心臓マッサージ(胸骨圧迫)をして助けるのだな!とイメージしているかと思います。


なぜ、呼吸が止まっている人に、胸骨圧迫が必要なのでしょう?



胸骨圧迫って、心臓を動かすためのものじゃないの?
血の巡りを補助するためのものだよね?
なのに、呼吸がないときに即それを始めるって…なぜ?

と不思議に思う人はいないでしょうか。


私は、受講者のときにそこがわからず混乱していました^^;;



呼吸が大切なのは、人の体内に酸素を取り入れ細胞に送り届けるためで、
酸素は血液に乗って身体中に運ばれます。


脳に届く酸素も、血液に乗って運ばれます。
血の巡りが止まってしまうと、脳に酸素などが届きません。


だからこそ、呼吸停止状態では、
一刻も早く胸骨圧迫(いわゆる心臓マッサージ)を開始して、
心臓のポンプ機能の働きを助け、


体内の血液循環を促して、
脳にも全身にも血液=酸素を送り続けよう!となります。
(と自分の言葉にできるようになったのは、指導員になる為の勉強をしてからでした)



  *  *  *  *


そんなことを頭に入れた上で、首に手をかけられた状態を考えてみると。


首に手をかけられたとき、気道が塞がれているかいないかも重要なのだけれど、
実は頸部(首)の動脈への圧迫も大変に危険です。


報道などで、気道閉塞による窒息死、という言い方ではなく
『頸部圧迫による窒息死』という表現を見聞きするたびにそんなことを思い出しつつ、


でも短時間の講習でこれを言うと、やっぱり小難しい雰囲気になりそう…。


ここに書いた説明や、気道だけではなく頸部動脈の圧迫も意識しての首絞めの外しかたは、
2日間以上のコースのときなどにお伝えしています(^^)/



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《このブログについて》
福多唯(Wen-Do Japan代表)の個人ブログです。
ようこそ。ここも読んでいただけているなんて嬉しいです。
ありがとうございます。


気づき、ひらめき、思いつき、取り組み、気持ち、愛…など、
人生を豊かにしてくれるものの多くは目に見えなくて形にもなりにくい。
それを少しでもなんとかしたい。そんな気持ちが常にあります。


そうした、形にならないものへのこだわりや愛着が
『その人らしさ』の核を成していくと思うから。


慢性病があって、子どもの頃からたくさんの入院をしました。


どうして何をしても良くならないのかな? 
なぜ、私なのかな?
この人生に、意味ってあるの?
なにかの罰なのかな?
そんなに私が悪いのかな?


…と、そんな感じで、


一人きりでベッドでできることといえば、
『自分の内側とじっくりと対話する』くらい。
気づいたらそれが習慣になっていました。



『自分の内側とじっくりと対話する』
そのための手法やちょっとしたコツで
誰もが、自分をひらくような声をあげられたらいいな。


人が『私らしく生きる』ことに役に立ちたく思っています。
ちょっとでも関連しそうなことでしたら、
なんなりとお気軽にご連絡ください。


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by selfdefence | 2013-10-08 16:36 | セルフディフェンス情報

ふくだゆいです。自己表現や思考スキル、日本語の講師です。20年以上前のある日、声をあげたら、『蓋』が開いたんです。びっくりでした。蓋の存在にすら気づいていなかったので。以来、困ったときには探すようになりました。どんな声でどんな蓋を外したらいいのだろう?と。基本閉じていてひとりの時間が好きな私でも、声探しに助けが欲しくなることがあります。声探しの場を求める人と繋がれたら嬉しいです。


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