女性のためのセルフディフェンスWen-Doインストラクターの福多唯です。
今日は金沢市&DVサポート凪の「私らしさを取り戻す」講座の日。
7回目を迎え、境界という概念について学び、こころの境界を護る具体的な方法を見てみました。
私が私の境界を護りたくても、他者は勝手に入って来ようとしてしまうことがありますよね。
悪気の有無は関係なく。
というのは、境界は見えないし触れないので、境界意識がないと侵害する/されるが容易なのです。
境界を侵害されかけているな/されているなと感じたときには、
「NO(ノー)」を示す必要が出てきます。
NOを言う際の具体的な方法はどんなもので、具体的には何がポイントなのか。
5種類ご紹介します♪
ベース(*)の内容に添いつつ私流の視点(緑色)も入れてます。
*「私らしさを取り戻す」講座は
(特)レジリエンスの「こころのケア講座」全12回の内容がベースになっています。
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境界侵害(の兆し)にNO(ノー)を示すための5つの方法
●第一の方法:ルール設定
これは「NO(ノー)を言わなくても済むようにするための方法」と考えるとわかりやすいかもしれません。
《私達のサークルでは物の貸し借りはしない、という決まりなの》とか、
《21時が門限なんです》などです。
特に、複数の人が関わるような場(学校、家庭、サークル、習い事、職場)などは
境界についての感覚がひとりひとり異なるために境界侵害が起きやすく、
関わりの親密度があがると(一般的には)境界意識が弱くなりがちなので、
あらかじめのルール設定は境界侵害の予防に役立ちやすいです。
●第2の方法:タイムアウト
これは「NOをすぐには決めなくて済むようにするための方法」と考えてもいいかも。
《そのお誘いについては、来週の火曜日にお返事するね》とか、
誰かが不機嫌さをまき散らしているときにその場を一時的に離れる、などです。
自分がカーッとしてしまったとき=他者の境界を侵害してしまいそうなとき にも使えます。
●第3の方法:アサーティブな対応
これは「NOを言うなら、自分らしい!と誇れて納得できる言い方をする」ための概念です。
なんとなーくの理想像は抱けるとしても、正解はありません。
自分の状態、時と場合、相手…などの諸要素によって常に変化に富む可能性を秘めています。
だからこそ取り組んでみるとその深さが楽しい♪
第1の方法から(今後紹介する)第5の方法まで、全てが、
アサーションのための具体的な方法(テクニック)でもあります。
●第4の方法:壊れたレコード
これは「NOを何度か言う必要があるときのため」の方法です。
それにしても…
21世紀にはいって既に25年、壊れたレコードという言い方でいつまで通用するかな(笑)。
まあ、その名のとおり、壊れたレコードのように、同じセリフを繰り返して対応します。
●第5の方法:「もし〜なら、私は××します」
これは「NOを受け取ってくれない相手」への最終通告的な方法です。
《もしあなたが私の話を遮り続けるのなら、もう今日は帰ります》とか、
《もし私の決めることに一々口出しをするのなら、私はあなたと一緒には暮らせません》とか。
講座で参加者さんから
「『そっちがそうなら、こっちだって考えがある』と過去に言われたことがある」、
という声があがりました(発言したかたは別のタイミングでおっしゃったので、
この第5の方法の話からその出来事を想起なさったわけではなかったのですが)。
そういうことってありますよね。確かに、この文形と同じ構造で言ってます。
でも。
この第5の方法のポイントは、私の覚悟や決意の揺るぎなさを相手に見えやすく示すことです。
そのためには実行可能なこと、本気でする覚悟のあることで、
なおかつ、『私の選択で私がする/しないを決めても良い行為』についての決意を出すのが鍵なのです。
実行する気がないことをチラつかせるやり方(「別れてやる!」とか)や、
何を実行するのかわからないよ?!というメッセージや、
「もし〜なら、あなたを××します」という『あなたに××しますよ』な言い回しは、
単なる脅しです。
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ワークショップでは、一部の方々が、第4の「壊れたレコード」に
ロールプレイとしてチャレンジしてみてくださいました。
これ、単に同じセリフを繰り返せばそれでいい、というわけではないのです。
チャレンジしてくださった方がご感想で、
「こう言えばいいんだ、っていうのが見つかったら、
とてもスッキリして、何度も繰り返して言うのも全然違和感がなかった!」とおっしゃってくださった、まさにその通り♪
自分にとって「これだ!」という言い回しを見つけるのが鍵で、けっこう繊細なプロセスを経ます。
(慣れると、それが瞬時に自分の中で出来るようになります)
長くなったので、どんなプロセスを経るかはつづきのこちらで★