女性に役立つセルフディフェンス Wen-Do
マスターインストラクターの福多唯です。
H24年11月3日に、トロントで私が担当したWen-Do講座に参加してくださった日本の女性が、
「Wen-DoがCBCニュースで取り上げられていますよ♪」と教えてくださいました。
Aさん、どうもありがとうございますヽ(´▽`)/
このURL
http://www.cbc.ca/metromorning/episodes/2012/11/15/self-defence/
にアクセスして、
Listen (runs 5:51)
と書かれているところをクリックすると、
音声バーが表示されて、音声ニュースの再生が始まります。5分51秒です。
内容は以下のような感じです。
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トロントではここ数日性的暴行事件が続いています。
護身のコースを探している女性も多いのではないかと、
CBCのMieke Andersonは、Wen-Doという女性専用のセルフディフェンスを取材し、
障害のある女性向けコースに実際に参加していた数人の女性に話を聞きました。
* * *
「私はいつも人に助けてもらってきました。
誰か助けてくれる人がいなきゃ、って思ってきたんです。
(性的暴行事件については)すごく不安で、とても怖かったです」
ロビンは今31歳。わずか8歳の頃からそうしたことを聞かされて育ってきた。
「ロビンと言います。31歳、女性です。私は電動車イスで生活してます。
これは、スイッチのオン/オフの表示で…(*ピッピッとやりながら記者に説明)」
ロビンには四肢に若干の麻痺があり(has little four limb palsy)、
そのため、周囲の人々はロビンを未だにまるで幼い子どものように扱うことが多々ある。
「外出するのに、どこか行きたいとしても、
誰か世話をしてくれる人を頼まないといけないんです。
何かのときに、保護してくれる人がいなきゃ、って」
でも、ロビンは誰かに護ってもらうのではなく、自分で自分を護りたいと考えている。
「以前一度、暴行を受けたことがあったんです。
それは知らない人ではなく、私が信頼を寄せていた、よく知ってる人でした。
もう、2度とあんな思いはしたくありません。
(このWen-Doのコースで)今、力を取り戻してるところなんです」
〔講座の様子の声や音声〕
「これは、ナイフハンドと言って…」と、ロビンは気に入った動作を教えてくれた。
「手をこうしてただ真っすぐに揃えて固くして、
暴漢の脚の間を、真下から上にこう打ち上げるやり方ですf^^;」
〔講座の様子の声や音声〕
クラナもまた、このコースに参加していた女性のひとりだ。
〔講座の様子の声や音声〕
「私はクラナ。15歳です。
(*『15歳じゃ、取材は保護責任者を通さなきゃならないかしら?!(笑)』
『いえいえ、それは必要ないです。』とのやりとり入る)」
真面目な話、私は保護者の許可を得るべきだったか?と思うが、
クラナは姓は絶対に伏せたい、とのことだった。
クラナの目は、見えない。
〔講座での練習の声。「1、2、ハッ」〕
Wen-Doの講座に参加するにあたって最難関だったのは、
家族など周囲の説得だった、と、クラナは言う。
「例えば、外を歩いていて、誰かが近づいてきたとして、
その人がスーツを着ているような人物なのか、それともホームレスの人なのかは
確かに私には見えません。
でも、それは私にとっては大した違いじゃないんです。
特に、相手が暇つぶしに私に対して下品な何かをしてこようとしたときには。
だって、そうしてきたのが誰だろうと、
私が屈辱と恥ずかしさで何も言えなくなり、どうしたらいいのかわからなくなることには変わりないから」
クラナは大きな被害にあったことはない。
けれど、彼女は、事件にこそならなかったものの、
あれはその初期の出来事だったのかも…と思い当たるような経験なら何度もあると言う。
「例えば。外を歩いていたら男が突然私のほうに迫ってかがみ込んできて、
私の匂いをクンクン嗅いだことがあったんです。
耳までたった2インチでしたから、大声で怒鳴ってやりました。
ええ、そのくらいで済んで良かったです」
クラナは外出時には(盲の人専用の)杖を使う。
そこで、護衛を兼ねて盲導犬のことを考えたことはないの?と尋ねると…。
「私もそれは考えたことがあります。
でも…盲導犬は、人に《無闇に警戒心を持たないように》訓練されているので、
護衛のための犬とは、ちょっと違うんです」
『(Wen-Doの講座では)私達は自分自身の力を使えばいい、ってよく言われます』
「万が一のそのとき、武器を持っているとは限りません」
「どこであろうと、何が起きようと、私達は、
自分の直感(heart beats)に耳を傾けることなら出来るし、
何かできる力も既に持っている、と。
既に手にしているもののほうが大事なんです」
目が見えない上に誰かから不意に暴行など受けようものなら、
それは非常に不利だと、誰もが無意識にそう考えるものだ。
しかし、クラナはそのように考えることはない。
「こうして誰かに触りますよね。軽く触って、手が触れてさえいれば、(その人の)頭はどこで、
肩がどこで…ってこともすぐわかります。
だからペア練習のときも、相手が目が見える人でもそうでなくても、関係ありません」
もしクラナのように目が見えなくても、ロビンのように車イスで生活していようとも、
身を守るのに最も使いやすいのは、声だ。
「練習でも、こうするね、と言ったり触れたりして…」(女性の声)
記者も、ロビンと一緒に(練習動作をする女性の後ろに)立ってみた。
「じゃ、やります。1、2、No! …ってやると」
『なるほど、これは…(骨が)折れるかも(笑)』
ただ、Wen-Doが、自分本来の力に目を向けようと言っているのは
武器など全く無用だ、という意味ではない。
「もし、私が逃げなきゃならないほどの身の危険を感じたら。
私の車イスの足置きは金属製ですから、もし逃げるとなったら、
まず車イスの向きを変え、スピードスイッチを《5》にして、
暴漢の足首に車イスを当てます。
そしたら少なくとも加害者の膝はガクッと曲がらざるをえなくなるので
(加害者は正常に立っていられなくなるので)、
充分に逃げる時間を作れます」
〔講座のインストラクターの声。
「クッションでペア練習をする相手を見つけて、各自好きな技を練習しましょう」〕
受講女性が、いざというとき本当に全員、暴漢を撃退できるのか、
教室での練習風景だけでは知る由もないが、
『いざとなったら、私にはできる!』と、
受講の女性たちが皆、自信に満ちあふれていたのを、記者はこの目で確かに見た。
「私、強いんだなーって。
こんなに、驚くほど強かったんだな、って。
なんだか、女戦士にでもなったみたいな気分」
『いざとなったら? うん。
迷わずやれる、って思う!』
記者「いざというとき、やるぞ!って思う人は?
(多分受講女性たちが手をあげている)
そっかー!(Okay!)」
自信に満ちた新たな声は、彼女たちの人生の救いとなるだろう。
〔講座のインストラクターの声:〕
「じゃあ次にハンマーフィストをやりますね。
腕をこうして……(メトロモーニングの●●がお送りしました、の声かぶる)
さあ、では
どこを狙いましょうか?」