女性支援

デートDV関連 新聞記事から

デートDV関連の記事を仕事メモ代わりにこちらに掲載します。
関心を持ってくださる方、ぜひ読んでください。



「闇を抱えた恋人たち 県内デートDVの現状 上/癒えない傷」
宮崎日日新聞
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=11261&catid=282


●異常な束縛恐怖残す

 「あの人とさえ出会わなければ…」。県内に住む原田咲=仮名、20代=は大学時代から4年間付き合った恋人のことをぽつりぽつりと話し始めた。

 一歳年上で、男らしく引っ張ってくれる性格にひかれた。交際を始めたころ、男友達と話していると恋人が表情を曇らせて尋ねてきた。「咲はおれよりあいつのことが好きなのか」。「心配になるほど私のことを好きでいてくれるんだ」と幸せに感じたのもつかの間、愛情だと信じた恋人の言動は異常な束縛へと変わっていった。

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 交際相手に精神的、身体的暴力を振るう「デートドメスティックバイオレンス(デートDV)」に悩む若者が後を絶たない。咲もデートDVで心に癒えない傷を負った一人だ。

 「携帯電話に登録している男の電話番号とメールアドレスを全部消して」「男と話さないで」。女友達と約束を入れると、「心配だから」という理由で引き留め「なんでおれと一緒におれんとや」と責められた。

 アルバイト先で同僚との会話を見張られるようになったころ、「男性がいる飲み会には二度と行きません」と書かれた宣誓書に母印を押すよう強いられた。「このままではだめだ」。1年後、咲は別れを切り出した。

 「別れるなら死ぬ」。恋人は叫んだ。台所から持ち出した包丁を自分ののどに押し付け、咲の目の前に立った。凍り付いた咲を「付き合いを全部おまえの親にばらす。裸の写真とか持ってるから」と脅した。「別れるなんてうそ。ずっと一緒にきまってるじゃん」。そう答えるしかなかった。

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 逃げ出すという選択肢をかき消したのは、「大学だけは卒業したい」との思いがあったから。恋人の監視の目はさらに厳しさを増し、通学時以外は外に出られなくなった。

 大学を卒業した咲は、ある日、幸せそうなカップルの姿を窓からふと目にした。胸が締め付けられ、心の中で何かが切れた。「もう耐えられない」。注意深く引っ越しの準備を進め、最低限の荷物だけを持ってアパートを後にした。就職先は失ったが、以来、恋人の顔は見ていない。

 「次に会ったら殺されるかもしれないという恐怖は消えない。あの人と出会わなければもっと違う人生を送れたかもしれないと悔やむ気持ちも一生消えないだろう」と唇をかんだ。

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 恋人から過度な束縛や暴力を受けるデートDV。深刻化する県内
の実情と関係者の取り組みを報告する。(2008年9月17日付)






「闇を抱えた恋人たち 県内デートDVの現状 中/若者の恋愛観」
宮崎日日新聞
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=11263&catid=282

●自分飾るステータス

 自分が自分らしく生きること—。恋人から過度な束縛や暴力を受けるデートドメスティックバイオレンス(DV)の被害者にとっては、そんな当たり前のことさえ日常的でなくなってしまう。

 県央部の20代女性は、幼なじみの男性と食事したことをきっかけに、恋人から携帯電話の発着信履歴チェックや「今からお風呂に入る」などの行動報告を求められるようになった。監視の目は今も厳しい。ストレスや圧迫感を抱えつつも「別れたくないし、彼に心配をかけた自分が悪い」と、恋人の機嫌をうかがいながら交際を続けている。

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 デートDVの種類には「身体への暴力」のほか、相手に嫌な言葉をかけ続けるなどの「言葉の暴力」、相手の言うことを認めず、行為を細かくチェックする「心への暴力」、性行為を強要し、避妊に協力しない「性的暴力」、いつも金銭を支払わされるなどの「経済的暴力」がある。

 いずれも根底に、恋人を自分の所有物のように思い込むゆがんだ支配欲がある。配偶者間のDVに比べ、若い世代が中心のデートDVには女性が加害者となる事例も珍しくないという。コミュニケーション能力が低下したといわれる中、恋愛という一対一の濃い人間関係をつむぐ若者たち。県内でデートDVに唯一取り組む市民団体「ハートスペースM」が開く高校でのデートDV講座終了後、生徒が感想を書くアンケートには、その恋愛感が透けて見える。

 「束縛されるのは好き。束縛してくれないと本当に自分のことが好きなのか不安になる」「友達の中では、ほかの男子とメールや電話をすることは浮気で、異性とかかわらないことがいちずな恋というのが常識」

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 若者の間では「恋人がいる」ことが一種のステータスであり、恋人は自分を肯定してくれる存在ともいえる。

 県内の女子生徒(18)は「彼氏がいることもだけど、友達に『彼氏かっこいいね』とか言われたり、街を歩いていてほかの人が彼氏を振り返ったりすると優越感を感じる。少し嫌なことをされても我慢できるよ」と屈託なく笑う。

 デートDVが起こる背景について、ハートスペースMの財津三千代代表理事は支配欲のほか、「男らしさ」「女らしさ」に象徴される男女の役割に対する固定概念や、社会の暴力容認姿勢を挙げる。

 若者たちの恋愛観に危惧(きぐ)を抱きつつ「デートDVの被害者には特徴はなく、誰にでも起こりうること。被害に気付いたら、とにかく一度距離を置いて考えてほしい」と警鐘を鳴らしている。(2008年9月19日付)





「闇を抱えた恋人たち 県内デートDVの現状 下/被害防止」
宮崎日日新聞
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=11264&catid=282

●講座通じ知識伝える

 5人に1人—。内閣府が2005年度に行った調査で判明した20代女性のデートドメスティックバイオレンス(DV)被害者の数である。

 しかし、実際は恋人間という狭い関係の中での出来事のため、自覚しづらく表面化しにくい。「単なる若い人のもめ事」ととらえられがちなデートDV。中絶率の増加や将来的な配偶者間のDVにつながる可能性もあり、放置できない問題ととらえる動きが広がってきた。

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 「中絶を繰り返す生徒がいるんです」。配偶者間のDV被害者支援に取り組んでいたハートスペースMに初めてデートDV被害の相談電話が鳴ったのは2005年春。恋人が避妊に協力せず、妊娠を繰り返す生徒を心配した学校関係者がかけてきたものだった。本県ではデートDVという言葉すら知られていないころだった。

 「デートDVの知識や現状を伝えなければ」。同団体は06年度から、高校を中心にデートDVに関する講座を始め、昨年度は29回開催した。最近は学校側からの依頼も増加。同団体への相談件数も年々増え、「全体の2割ほど」という。

 若者が悩んだときに相談する相手は友人が圧倒的に多い。財津三千代代表理事は「デートDV被害に気付くことはもちろん、相談に応じるためにも講座を通して知識を持ってほしい」と強調。事例を盛り込んだDVDを作成し、すべての県立高校に配布している。

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 デートDVの現状を知るためには行政の力も不可欠だ。岡山や大分、神奈川県では県が積極的にデートDV対策に乗り出す。本県では、関係団体が県にデートDV実態調査などを要望するが、実施のめどは立っていない。

 「大丈夫? 恋する若者調査研究事業」に取り組んだ岡山県は06年度の内閣府モデル自治体に選ばれた。事業で特に好評だったのは、インターネット上に若者が悩みを書き込める掲示板だった。

 同年代の人と日常会話のように悩みを打ち明けて、意見や専門家からの助言も受けることができる。期間限定の予定だったが民間に委託し、今も継続している。

 何がデートDVかは当事者のとらえ方で違う。しかし、「相手に常に気を使う」「以前できていたことができなくなる」自分に気付いたときは、二人の関係を振り返る好機だ。財津代表理事は訴える。「暴力を受けていい人間なんて一人もいない。世界に一人しかいない『自分』という存在を大切にしてほしい」(報道部・喜屋武恭子)(2008年9月20日付)



「闇を抱えた恋人たち 県内デートDVの現状 番外編」
宮崎日日新聞

●思いやることが愛情 元被害者らメッセージ

30代女性 子どもにも矛先

教育関係者 親子関係原因か



 恋人間で起きる暴力、デートドメスティックバイオレンス(DV)の県内での実情を追った連載企画「闇を抱えた恋人たち」に対し、さまざまな意見が寄せられた。

 元被害者は「束縛や暴力ではなく、思いやることが本当の愛情」と若者にメッセージを送り、教育関係者は「背景には、家庭内のコミュニケーション不足による寂しさがあるのでは」と指摘している。


 「戻れるものなら、付き合っていた時に戻りやり直したい」。県内に住む30代女性は、後悔を口にした。7年半、過剰な束縛や首を絞められるなどのデートDVを受けたが、別れを切り出すと泣きながら「2度としない」と言われ、付き合いを続けた。
「いつも優しくないわけではないから」と結婚。子どもをもうけた後も暴力はやまず、子どもにも矛先が向いた。


 離婚協議中の女性にとって、記事に登場した被害女性たちは若いころの自分。「夫の性格が変わらないことに早く気付けば良かった。束縛を愛情と感じている若い人には、相手を尊重し思いやれることが本当の愛情だと言いたい」


 デートDVなど、悩みを持つ若者と向き合う「のびのびフリースペース」主宰、喜多裕二さん(54)=延岡市=は、デートDVの背景の一つに、若者たちの心のよりどころのなさを挙げる。

 「抱かれている時だけは安心できる」と男性を求めるが、避妊してもらえずに苦しむ10代少女。家庭内で孤立化が進み「家にいてもさびしいだけ」と語る若者たちの1人だ。

 「親の過剰な期待や干渉などは子どもに不安やストレスを与える。それを恋人にぶつけることで自分の心の安定を求めるのでは」。友達より、恋人のほうが密接な関係になるからこそ、ストレスをぶつけやすいのだという。

 喜多さんは「まずは大人が変わる必要がある。何かあった時『あんたが悪い』『なんでそんなことをしたのか』と責めるのではなく、じっくり話を聞いて受け止めることが必要」と話している。(2008年9月24日付)
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by selfdefence | 2008-10-03 08:52 | 女性支援

Wen-Do Japanの福多唯です。今、あなたが抑えているものは何でしょう? 本当の声をあげたそのとき、世界は変わる。


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