セルフディフェンス全般

迷惑電話 〜「お宅が盗撮されたビデオを持っています」〜

こんにちは。
今日はいただいたメールから考えてみたいと思います。
(御承諾の上での公開です)

 ======

 福多唯様

 唯さん、こんにちは。 お元気ですか。


 昨日、見ず知らずの男性から
 「お宅が盗撮されてるビデオを買った。」という電話が来ました。



 こんな話です。


 A市在住という男性から
 「Tさんですか?」と電話がかかってきました。

 「ハイ。」と答えると
 「Sさん(*Tさんの夫の下のお名前)はいますか?」と聞くので
 「今日からしばらくいません。」と答えました(長期出張中なの)。
【註:1】

 そうしたら、相手はこんなことを言うのです。


 「1週間前に、インターネットでビデオを買った。
  自分が注文したビデオと違うものが来て、
  おたくの家の中を盗撮してあるものだった。

  ご住所(我が家の以前の住所)と電話番号と合鍵がついていた。」




 実は、我が家はつい最近越したのです。
 だから以前の住まいのことで電話が来るだけで無気味な感じで…。
 

 住所もあっているし、名前も夫の名前をフルネームで言ってました。
 私からは何も言っていないのに。【2】


 アヤシイなぁと思いながらも、ホントだったらイヤだなと思って、
 「盗撮が本当なら、警察に届けることになる。あなたの連絡先を教
 えて欲しい」 って言ってみたんですが、


 お名前とA市在住ということ以外は教えられないとか、ビデオを購入
 した会社に関しても、パスワードが使えなくなっているとかなんと
 かでアクセスできないとか言って。


 で、「お金が欲しくて連絡したわけじゃない。ただ、お知らせし
 ようと思っただけだ」って言うんです。【3】


 いろいろやりとりはあったのですが、私が、

 「それはわかりましたが、購入した会社がわからないと何とも…。
 ネットで購入なさったのなら、home のページまでは普通にアク
 セスできるのでは?」


 と言ったら、ガチャンと電話が切れました。



 前の住所や夫のフルネームを知っているってことは、盗撮は100
 パーセント嘘とは思えない気もしています。 【5】
 テレビ番組などを見ると、盗撮用のカメラとか、案外仕掛けられ
 ているし…。 【6】



 今後のことですが、

 前に住んでいたのは社宅なんです。
 社宅は次々と色々な人が入るでしょうから、盗撮カメラが仕掛け
 られていたままになっていたら問題だと思うので、管理人さんに
 連絡するべきですよね…?【7】

 
 警察は、証拠もないし、事件にならないと動けないでしょうし…。
 【8】



 見ず知らずの男に個人情報を知られているなんて、こんなに不安
 になるものなんですね。
 越してきたばかりの土地で、友達もいなくて、心細いです。



 相手が見えない、今回のような件では、心の護身術の大切さを感
 じました。


 やっぱり、私も子どもも定期的に護身術のワークを受けたい!と
 思いました。
 いつ、どこでどんなことに出会うかわからないものです。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

Tさん、ご連絡をくださってありがとうございました。
どんなにご不安になったかと思います。ひどい電話でしたね(>_<、)


 【1】「ちょっと外してます」「ちょっと出掛けています」

 相手が誰で、どんな目的で電話してきたのかわからない段階では、

 「ちょっと外しています。
 折り返し電話しますのでお名前とお電話番号を教えてください」

 と答えると無難かと思います。

 『男は(しばらくの時間、完全に)不在だ』ということを相手に知らせずに済みます。


 もし、そのように言ってみたにもかかわらず、
 相手が「何時ごろお帰りですかね?」などと言ってくる場合も、

 「わかりかねますので、折り返し…」を繰り返します。


 相手が何と言って来ても、自分が伝えるメッセージを常に同じもの
 で、おうむ返しにする方法は、アサーティブネスなどでも紹介される通りです。


 
 【2】【5】相手が住所や名前を知っている…!

 無気味な電話の相手に住所やフルネームを知られていると、気味が
 悪く、不安になりますよね。


 でも、これだけなら「よくあることだ」と、まずは落ち着きましょう。


 だって、他にもいろいろ電話ってかかってくるじゃないですか。
 「お子さんは○○小学校の×年生ですよね?」と言って学習塾だと
 か家庭教師派遣会社だとかが電話してきたり、

 「○○ちゃんのお誕生、おめでとうございます!」と、赤ちゃんの
 髪の毛で筆を作るとかいう会社が電話してきたり…(ーー)。



 私にもありましたよー。

「××くんのお誕生、おめでとうございます!」との電話が。

 私の子どもはその時5才で、名前も違っていたのですが。

 …っていうか、××くんって、どこで産まれた誰だよ! 
 夫は一体どこで何をしてるんだ!


 …ま、それはともかく、
 「盗撮ビデオを持ってます」と言われると、何故か私達は不安や恐
 怖を感じてしまいます。

 でも、

 
 住所やフルネームを知られているのは、
 嫌だけれど、現代社会では『よくあること』かも。


 不安になってもいいのです。
 不安になった、そのあとに、
 自分の感情を相手に利用させないぞという主体性を取り戻すために、
 「よくあること」という事実を思い出すと、その後の対応に役に立つかもしれません。


 
 【3】要求がはっきりしない

 要求がわかるほうがまだスッキリするのに、相手が何かを要求する
 わけでもなく、「ビデオの詳細については、今から言う電話番号に
 連絡すればわかる」などと言うわけでもない…。

 これって、気持ち悪いですよね。


 “迷惑電話”には、「まちがい電話」「いたずら電話」「詐欺なども含めた商業行為電話」など、
 いろいろな種類があります。
 

 そのうち「いたずら電話」の動機は、特定の相手へのいやがらせや復讐、
 不特定の相手へのいやがらせをすることでの快感欲求、ひまつぶし、
 孤独感をまぎらわせたい…など多岐に及んでいるそうで、


 私達の感覚では「それの何が楽しいの?」「どんなメリットがあるの?」
 「目的がよくわかんないんだけど…」と、理解しがたいことも多々あるけれど、


 セルフディフェンスの第一目的は、
 加害者を理解することではなく、
 加害者を屈伏させることでもなく、『逃げる』こと。


 相手の意図がわかるに越したことはありませんが、
 わからないときにはわからないままで構いません。


 『どうやったら逃げられるか』(どうしたら自分を守
 ることができるか)にシフトしちゃいましょう。



 【6】盗聴・盗撮は意外と多い? その不安は何が根拠?

 テレビでもネットサイトでも、盗聴・盗撮への不安をあおる情報が時々あります。

 もちろん、盗聴・盗撮はあり得ることで、他人事ではないと思うけど、


 実は、一般家庭における盗聴や盗撮は、家族や親戚、同僚や上司など、
 “身近な人間”によるものが多いのだそうです。

 
 見知らぬ者が、その後の売買等を目的に盗撮をしかける場合は、
 ホテルや公衆トイレなど、不特定多数の人間がプライベートな姿で出入りしやすい場所、
 次に、独り暮らしの女性の自宅が多いとのこと。
 (リビングよりは脱衣所とかのほうが可能性が高いそうです)

 
 あるいは、スキャンダルを狙われているそれなりの人物なら、
 自宅のリビングや自室を他者から盗聴・盗撮されることもあるかもしれないけれど…。


 ならば、『盗聴は意外と多い』という情報を出す人は、なんのためにその情報を出すのでしょう?
 「意外と身内から盗聴されるのですよ」と真実を添えてくれているだろうか?


 情報は、『その情報を出すと得をする人』から操作されて出されることが多々あります。


 「あなたも狙われている?!」と言って、不安をあおり、増益を図る商売は山ほどありますし、


 テレビや雑誌は、視聴率や売上げが上がる見せ方を工夫します。


 不安は、操作によって産み出されることも多いのですね。


 
 【7】管理人さんに盗撮の可能性を知らせるべきか

 
 今回の場合、社宅に盗撮の可能性があるということを管理人さん
 にお知らせしてカメラの有無を警戒してもらうよりは、

 もし管理人さんに連絡を取るならば、私ならば

 「うちに変な電話がかかってきた。相手はどこかで名簿を入手し 
 てかけてきたのだと思うので、皆さんにも同様の電話がかかるか
 もしれない」という主旨でお知らせします。


 盗撮の有無は実際にはわかりません。
 また、今回は金銭を要求されたり脅されたりしているわけでもないので、
 『盗撮されたことの直接的な被害』はまだ発生していません。


 発生したのは『迷惑な電話がきて、不安な気持ちにさせられた』という感情面での被害です。

 
 だから、もし私なら、『盗聴の』被害よりも『感情の』被害の予防を優先します。
 (連絡は私ならしないんじゃないかな…という気もするけど、
  そればかりは『当事者じゃない人はどうとでも言える』ので、
  連絡するとしたら?の前提で考えました)


 もちろん、誰にも何も言わなくても構わないと思います。
 なんとなく言いにくい、面倒くさい…等のお気持ちも正直あると思いますし、
 被害を被った側には何の義務も責任もないのですから。


 
 【8】警察に知らせてもムダ?

 知らせても良いと思います。

 警察側も、電話での犯罪取締まりに配慮してくれているでしょうから、
 電話の犯罪か?と思われる手口について警察に通報しておくことは無意味ではないと思います。

 もし同様の相談が他からも寄せられていたら、警察から対応のアドバイスをもらえる可能性もありますし。

 それに、何よりも、
 市民が警察に相談を『してはいけない』理由は何もないと思います。

 あと、もしも
 迷惑電話が同一人物から繰り返しかかってきたら、
 「ストーカー規制法」が使えるかもしれないので、ぜひ警察まで。


 また精神的に追込まれ、病気になってしまったとしましょう。


 この場合、医師による診断書で、病気の原因が迷惑電話を受けたこ 
 とでの心的ストレスだとはっきり示されると、『傷害罪』が成立し、
 相手は加害者として責を負うケースもあるそうですよ。
 (騒音を出し続けて逮捕された女性の例を思い出します)


 ここでも、
 「私は精神的にダメージを受けた」
 「私は病院で診断書を書いてもらいたい」という主体的な意識が、
 自分を守るのに多いに役立つかもしれない、となります。
 (絶対に役立つ=望む結果を得られるという保証がないのは大前提)


 「お金をとられたわけじゃないから…」「身体的に何かされたわけ
 でもないから…」「死体や汚物を送りつけられたわけでもないし…」
 などなど、私達は『被害にあったわけではない』と考えがちです。
 

 それは、本能的な自衛心理(たいしたことではないと考えて、困難
 を乗り越えようとする)なのでしょうが、


 私達の文化が、精神的な暴力やダメージを軽視してきた歴史での影響もあるかも?


 全ての暴力は心理的なダメージと切り離せません。
 身体的ダメージだけがあって心を傷つけないという暴力はあり得ません。


 ささやかな暴力の『徴候』に気づいていけると、セルフディフェンスの力がアップすると思います。
 「私は今精神的にダメージを受けている」と気づけるだけでも、全然違います♪


 ご不快な体験でいらしたのに、
 メールに書いて、事例を提供してくださって、ありがとうございました。

 
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by selfdefence | 2007-01-22 01:19 | セルフディフェンス全般

Wen-Do Japanの福多唯です。今のあなたの「これさえ言えれば…」は何ですか。本当の声をあげたそのとき、世界は変わる。


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