2006年 07月 25日

見守る目の心強さ

こんにちは。

雨の被害の報道を毎日目にし、胸が痛みます。今朝、テレビにてインタビューを受けていたおばあちゃんは、「戦後60年ここに住んでいるけど、こんな被害ははじめてだ」と語っていらっしゃいました。誰でも、被災する可能性があるということを、そのお言葉から実感しました。一日も早く元に近い生活を取り戻すことができるよう祈るばかりです。


 さて、先日、あるところに食事に出掛けました。案内されたテーブルについて注文をすると、すぐ隣の大テーブルに、男性グループが案内されてきました。
 「そこに座れや」「うっす。ありがとうございます」みたいな会話の、体育会系の屈強そうで賑やかな男性たち8人(だったかな)。

 何がどうということもなかったのですが…。男性たちが暴力的だったわけでもないし、マナーに反するようなことをする方たちだったわけでもないし、店員さんに対して横柄だったわけでもないし、下品な会話をしていたわけでもないし、悪意を感じさせる方たちだったわけでもないのですが、…なんというか、うまく言えないのですが、すぐ隣りの席にいて、あまり心地良くはない空気を私は感じていました。

 『席を移動させてもらおうかな…』と思ったのだけど、明瞭な理由がないので、店員さんに言い出すきっかけがないまま時間が過ぎました。また、私達の席は彼等の席と本当に近くでした。こちらと彼等のテーブルの間は、人がひとり通れる40センチほどしかなく、店員さんにテーブルについたまま「移動したい」なんて言ったら即彼等にも聞こえちゃいます。聞こえなくても、たった40センチ隣のテーブルの人間が、食事の途中に席を立って、そしてそのテーブルにあった食事が下げられるのではなく明らかに他に移動させるように店員に運ばれていく光景が、彼等の目に入らないはずはありません。

 WEN-DO的には、『気付き』があったら『逃げること(離れること)』を自分の権利として大切にし、思いついたことは『身体で行動に移す』ことをお薦めしています。私はその時、『WEN-DOの考え方で言えば、移動していい状況なのだろうけど…。なかなか難しい心理状態になるものだなあ…』なんて思っていました。

『まあ、しょうがないや。今この状況で移動するのは難しいし、多分何事もないだろうから…。もしも万が一彼等が酔って暴力的になってきたとき、どう行動するかだけ考えておくかな〜』なんて考えることに頭をスライドし、“移動したいんだけど、できない…。どうしよう…”の心境からなるべく離れるようにして、結局最後までテーブル移動はしないで、食事を終えました。

 その8人の男性たちより先に席をたち、レジへ行くと、店員さんが出てきません。『あれ? 早く来て欲しいなあ。どうしたんだろう?』と思いかけたときに、「お待たせしました」と店員さんが来てくれて、会計をしました。

 その時です。驚くことが起きました。

 店員さんは言いました。
「今日はあのようなお席しかご用意できず、大変申し訳ありませんでした。多分あのお席ではご不快な思いをなさったと思いますし、美味しい食事の時間にならなかっただろうと思います。本日の飲食代から割引きさせていただくことでお許しいただければと思うのですが…」

 えー。そりゃラッキーだけど(笑)。でも、あの人たち、別に何かしたわけでもないし、私は、“私がひとりで勝手に”彼等に対して不安感や不信感を持ってしまっていたのだと感じていたので、店員さん(店長さん)のこの言葉に、びっくり。

 と同時に、とっても嬉しかった。いや、値引きが、じゃないですよ(それも嬉しいけど)。

 私のこの、根拠のないうっすらした不安感や不快感を、察してくれていた人が、このお店にいたのだということが。

 そして、そのことを店側から申し出て値引きしてくださるというのは、要するに、「店側もお客様がご不快なのではないかということは薄々察していました。なのにお客様に対して何も援助をさし上げず、放置しました。申し訳ありませんでした」と言ってくださったのと同じことです。

 

 私はこれまで、似たような状況で自分が店長さんの立場になったときに、自分から非を認めて謝罪することに対して、ためらいがありました。なんていうのかな…、『自分が悪いわけではない』という気持ちもあると思うし、「気付いてたんだけど、何もしなくて、ごめんね」みたいなことを言うのって、後出しジャンケンのようで卑怯な気がして、相手を不愉快にさせるだけなのでは…と考えていたからです。

 
 でも、実際に、自分が言われてみて、必ずしもそうではないんだと学びました。
 私にとっては、店側の、そういう見守る目の中で食事をしていたんだということを、心強く嬉しく思ったくらいです。

 もしあの場で何かが起きていたとしても、あの店長さんなら、何らかの介入を行なってくれただろう…と思うし、何かが起きてもきちんと対応してくれる安心できる店なのだろうと思えます。


 これから、自分が何らかの「あやしい」場面に遭遇したとき、…介入するだけの根拠が無ければ手出しはできないのはもちろんなのですが…、『何もなかった』時だとしても、その事後に「大変だったね。私もずっと見てたんだ…。何もできなかったんだけど…。でも、結果として何もなくて、本当に良かった」と、声をかけるだけで、「あやしい」状況下にいた人の支えや励みになりうることを、しっかり覚えておきたいと思います。


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(c)「女性に役立つセルフディフェンス」WEN-DOインストラクター 福多唯
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by selfdefence | 2006-07-25 10:25 | つれづれ


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