面白いニュースを見ました。振込め詐欺の被害を防ぐため、振込め詐欺からの電話がどのようなものかを体験出来るフリーダイアルが開設されたそうです。
ただし東京都民だけなのが残念なのだけれど。
* * *
実は私のところにも振込め詐欺(だと思われる)電話がかかってきたことがあります。
なんとも不思議な体験でした。
昼下がりに「ボクだけど…」とその電話はかかってきました。
私の夫は「ボクだけど…」と電話をかけてくる人なのだけれど、声は明らかに違いました。
全く聞き覚えがない声が、夫と同じく「ボクだけど…」と電話してくる。
これを耳にしたときのあの、何ともいえない感じ。
「声、違うよなぁ…」とは思うんです。思うんだけど、『夫ではない!』と100%思ってしまうことが、どうしてもできない。
「声は違うけど、でも…」という気分になるんです。
どちら様ですか?
すると相手はもう一度言いました。「ボクだけど…」
私ももう一度言いました。
電話が遠いみたいで聞こえないんです。(聞こえてましたけど)
どちら様でしょうか?
なんかね、『絶対に夫ではない』と思い切ることができなかったから、相手に、尻尾を出してほしかったんです。
同時に、何度も相手の声を聞きたいと思いました。(←恋か!)
夫の声ではないということを、聞いて、確かめたいという
妙な気持ちになっちゃってたんです。
相手は「ボクだって言ってるだろう…!」と、泣きそうな声でした。
今にも「妊婦さんの乗った車にぶつけてしまって…」とか言い出しそうな雰囲気でした。
ここまで読んだら、普通はそこで「完全に詐欺じゃん!」って思うよね。
でも、当の本人の私はそのとき、その時点では、そうは思えなかったのです。
「夫と違う声の人物が、夫と同じように『ボクだけど…』と、自宅に当り前のように電話してきている。
夫ではないはず。違うはずだけど…。でも…」と
私の中では、その時点ですら、まだ、ためらいが強く残るのですね。
“確かめたい!”と、衝動的に思いました。“夫ではないということを確認するにはどうしたら?”と。
それには、妙なことですけど、会話を続けるしかない気持ちになっちゃうんです。
振込め詐欺では、「オレだけど」とかかってきた電話に対して、
電話を取ったかたが、「え? ワタルかい?」などと言ってしまうと、
相手は「うん。実はさ…」となっていくというパターンを、皆様多数聞いてご存知だと思いますが、
「え? ワタルかい?」と言ってしまう方の心境が私はあのときホントにわかりました。
そんなマヌケな対応…と1ミクロンでも思って、ゴメンナサイ!(思ったんかい)
そこに、ここまで複雑な心理が潜んでいたとは。
思わず夫の名前を出して確かめたくなりましたけど、
それをやっても“確かめることはできない”ことを、
知識として私が知っていたのは幸いだったなーと思います。
どうやって確かめたか。
どうもしなかったんですが、私が知っていて使えるスキルはそのときこれしか思いつかなかったので、
「すみませーん、何度も。お電話遠いみたいです。もう一度お名前をお願いできますでしょうか?」
相手が泣きそうな声を装って「ボクだっていってるだろ」と言ったのは聞こえていましたが、私はあえて普通のトーンでオウム返しを続けました。
次の瞬間、相手が電話を切りました。
ああ、ドキドキした!
追記:1
以来、夫は「○○(夫の名前)だけど…」と電話をかけてくるようになりました。
追記:2
数年後、「◯◯(夫の名前)だけど…」とまた詐欺電話がかかってきました。
え? でも、そんなはずないと思うんで。
何かお間違いじゃないでしょうか。
と私は答えました。だって本物の〇〇、目の前に一緒に座ってたし(笑)。
すると詐欺師は
「何言ってんだよ(クスッ)。水臭いなぁ。オレ、◯◯だってば」だって。
クスッ(笑)
本物の彼(夫)が私に対してそんな話し方、そんな会話展開、そしてオレという一人称。。。
絶対なーい!
同じ日本語しゃべれば騙せると思うなよ! 甘いよ!(笑)
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