こんにちは。Wen-Do Japanの福多唯です。
今日は、だいぶ時間が経ったけど、どうしてもまとめておきたかった学びについて。
それはH27年9月23日に東京で参加した
『コミュニティ・ウェルネスのためのフォーカシングとレジリエンス(回復力)』。
横文字が多くてわかりにくいかもしれませんよね(^^;; 私もカタカナ語は苦手。
コミュニティは『人々が暮らす地域コミュニティ』のこと。
ウェルネスは『健康』、レジリエンスは『凹んだり弱ったりした状態からの回復力、弾力』なので、
人々が暮らす地域コミュニティが健康的に機能する(その地域の人々が健康にいきいきと暮らせるようになる)ために、
フォーカシングやレジリエンシーをどう活用できるか?について学ぶ講座でした。
Wen-Doは、女性の暴力被害を減らしたり防いだりするための活動なので、
女性が地域で安全に健康にいきいきと暮らせるようになるための視点がとても大事です。
きっとこれはWen-Doにも直結する内容が学べる!と思って参加してみて、正にその通りでした。
* * *
講師はパトリシア・オミディアンさんという女性で、医療文化人類学博士です。
リベリア、アフガニスタン、パキスタンなど、紛争下だったり、感染症が蔓延するような地で
その地域の人々のウェルネス(健康向上)のために現場に入って尽力したご経験から話をしてくださいました。
そのキーワードとして私が覚えておこうと思ったのが
『良い逸脱(Positive Deviance)』と『自分の内に【ゲストハウス】を持つ』こと。
良い逸脱 にならおう
『良い逸脱(Positive Deviance)』って、こなれた日本語にするのが難しいのだけれど、
簡単に言うと(ここからしばらくは私の解釈と理解で、講師の言葉ではありません)、
『何がうまく行っているのか?(What is working?)』に注目したときに見つかる何かです。
何か問題があるとき、人は『何がダメな原因なのか?(What is the problem?)』に気持ちが行きがちです。
けれど、原因探しをゴールにしては、問題は解消されることはありません。
『何がダメな原因なのか?(What is the problem?)』よりも
『じゃあ、何ならうまく行くのか?(What is working?)』に着眼し、
問題を課題としてとらえられると、解消や解決への道が拓きやすくなります♪
ここで言う課題というのは、
問題(悩み、困り事など)そのものではなくて、
問題を解決するための糸口(着手しうる、具体的な事柄)のことです。
社会では『こんな愚かなミスによって、こんなひどい目にあってしまった人がいます…』という情報のほうが伝わりやすい面があります。
するとその対策は『ひどい目にあいたくないのなら、こんな愚かなことはしてはなりません』ばかりが増え、長い目でみると安心感や安全感につながらず、息苦しくなっていく…みたいなことが起きてしまう。
また、パットさんが尽力した地のように、紛争や感染など一般の人々にはどうしようもない要因によって人が苦しんでいる場合、原因に目を向けてしまうと、かえって無力感や厭世観にとらわれてしまうこともあるかもしれません。
けれど、人はもともと、エラーを起こすものだ という当たり前のこと(*講師のパトリシアさんがこうした言い方をしたわけではなくて、これは私の考えです)を、私たちが忘れずにさえいれば、
人は愚かなエラーも起こすけれども、
ときに、有用なエラーも起こすことができる(^-^)
『良い逸脱(Positive Deviance)』も、もしかしたら最初は偶発的エラーとして生まれてくるのかもしれないけれど、そこに着眼して周りもそれにならえば、それを地域に広めることが可能になります。
《多くの人がウツになっているこの悲惨な状況で、それでも穏やかで明るく健康的にいられる人は、
他の人と、何が違うの?》
《多くの人が感染している状況で、感染せずにいる人は、他の人と何か違うことをしているの?》
講師のパトリシアさんもそんな風に、
凄惨な状況下でも『良い逸脱』を積極的に探して、それにならい、広めるということをしながら、
地域の健康回復に携わってきたのだそうです。
『良い逸脱(Positive Deviance)』を探すときのポイントとして
パトリシアさんが教えてくださったことがあります。
それは、「そのコミュニティで誰もが可能な方法」であること。
その文化や価値がそのコミュニティに根ざしたものであればあるほど有用だそうです。
『地域で起きている問題は、地域に解決の糸口がある』との姿勢で、『良い逸脱(Positive Deviance)』を探します。
なるほどね。それは確かに大事ですよね。
例えば、私は自分の健康保持のために、マヌカハニーを愛用していて、
家族がひどい風邪にかかってもうつらずに済むことがあるのですが、
こういう方法は効果は認めるとしても、『良い逸脱(Positive Deviance)』には位置付けられないな。
マヌカハニーは輸入品ですから(笑)。
Wen-Doでも同じように『良い逸脱』を活用して、女性たちにひろめています(^-^)
Wen-Doの講座ではときどき、
『多くの女性が声をあげにくくなるようなこんな状況で、
その女性はこんな風なことをして、逃げることに成功しました♪』とサクセスストーリーを紹介します。
それが、『ああ、女って、そういう突拍子もないことをするところがあるよね』と
納得しやすいものであればあるほど、
ウケが良く、皆さんの印象にも残りやすい。
その傾向は薄々感じていたので、
そうか、『良い逸脱(Positive Deviance)』になりうる方法だと広まりやすいのだなと、
パトリシアさんの講座で合点が行きました!
自分の内に【ゲストハウス】を持つ
『良い逸脱(Positive Deviance)』を探そうとするときに、自分をそうさせやすくするために有用なのが、
自分の内に【ゲストハウス】を持つことです(と、私は理解しました)。
というのは、『良い逸脱(Positive Deviance)』の要素がどこかにないか?!と
探さなければならない状況は、
たいてい、困難だったり悲惨だったりするから。
とてもじゃないけど、そんな心持ちにすらなれない。
不安で不安でたまらない。
とにかく一刻も早く、この不安や悲しみや焦燥感をなんとかしたい。
そういう状況や人々の中に入っていっての支援活動では、
支援者にも人々の感情が移って、支援者も似たような心持ちになってしまうことがあるかもしれないし、
人々にとっても、ほんの一時でも、平安になれる時間は必要です。
でないと、睡眠や食事すらままなりません。
一時でも、平安な心持ちで自分を満たせるようになるために。
そして今晩、熟睡できる時間を持てるように。
支援者にも当事者にも、みんなにとって助けになるのが自分の内に【ゲストハウス(ゲストルーム、客間)】を持つこと。
そのためには、いくつかのステップがあります。
(こうした、フォーカシング的なことがはじめての人の場合には、
やりやすくなるためにも段階を踏むのがおすすめです)
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