つれづれ

言葉がけに迷う

こんにちは。

以前に、ある講習会でのロールプレイで、
「混乱状態にあって不安を訴える人に対応する」というものがありました。
そのときに、ある人が

  『大丈夫ですよ』とお返事して対応していたんですけど、
  他に言葉が見つからなくて、とても困りました。
  ああいうときにはどう対応したらいいのでしょう?

と質問をくださったことがあります。

言葉がけに迷うことってありますよね。
語彙を増やしたいとは思っても、突然増えることはないし、
その努力を続けながらも何かできる方法があると心強いものです。

Wen-Doでも、講座で質問をいただくことは多いので、
講師トレーニングなどではそのあたりが必ず話題に昇ります。
私達がコツとして頭に置いているのは、ほんのちょっとしたことです。
訓練の練習としては以下の1、2の順です。

 *  *  *  *  *


1)相手のご発言の、「事実」または「気持ち」をそのまま伝え返す

例えば、混乱気味で誰かの名前…
たとえば

A. 「ハナ子、ハナ子」と繰り返す人がいるとします。

そんなとき、『ハナ子って誰なのかな』『確認しなきゃ』という気持ちが
こちらに沸いてくることもあると思いますが、
『ハナ子って誰ですか?』って直裁に聞くのはちょっと… ^_^; みたいな。

そんな感じで言葉につまったら。
「どなたかのお名前なんですね」。
事実をそのまま言う形の応答が使えます。
質問口調にもならないため、言う方も言いやすいですし、言われる方にも負担が少なくなります。

類型の方法は、以下のようなときにも使えます。

B.「4月よ。4月でないとダメなのに、全然わかってもらえない!」
  →『4月でないとダメなのですね』

4月でないとダメだと感じているご本人にとってのその時点での事実
ご本人の使った言葉を借りて応答に使います


気持ちを返す方法もあります。

A. 「ハナ子、ハナ子」と繰り返す人に。
  →「ハナ子さんが気がかりなのかなあ」

気がかりなのですね、としてもいいと思います。
(気になる、などの表現も有りです)
ただ、その断定口調が躊躇されるという人には
上記のように「なのかなあ」のほうが使いやすいのかなあ(笑)


表情から、心配している/怒っている/悲しんでいる などが明らかであれば、
「ハナ子さんがご心配なのかなあ(ご心配なのですね)」
「ハナ子さんに何か伝えたいのかなあ」
「ハナ子さんのことでお気持ちが沈んでいるのでしょうか…」などの言い方も出来ます。


B.「4月よ。4月でないとダメなのに、全然わかってもらえない!」
     →ア「わかって欲しいんですね」
  または イ「ダメなのに、と思ってらっしゃるんですね。4月でないと?」
  または ウ「4月がなにか大事な時期なのですね」

4月でないとなぜダメなのかをこちらが把握する必要がなければ
アのように、気持ち部分だけを返す方法でもいいかなと思います。
ご本人は一番話したいことをその後もお話になることでしょう。

4月でないと…という理由をこちらが把握したいときには、
イのように「ダメなのに…と思ってらっしゃるんですね。4月でないと?」と
先にご紹介した語順を倒置する方法も使えます。
気持ちを受け止めながらも、4月を後にすることで、さりげなく質問しています。

とりあえずご本人の語りの全体像を掴んでいこう、というときには、
ウのように「4月がなにか大事な時期なのですね」と、
4月にこだわる理由にさりげなく探りを入れながら、
質問にならない形で応答することも出来ます。


2)意味をそのままに伝えつつ、短い言葉にする

1の発想ややりとりに慣れてきたら、
こちらの言葉をなるべく短くしていくのもいいかもしれません。

A. 「ハナ子、ハナ子」と繰り返す人に
 →(第一段階)「どなたかのお名前なんですね」。
   →(第2段階)「(それは、)どなたかの…?」または「そのお名前は…?」
          または「ハナ子さん…?」

口頭で対面しているのやりとりでは、
語調やトーンや表情、応答の間、ボディランゲージなどを駆使することによって
実際の言葉数は減らすことができます。


B.「4月よ。4月でないとダメなのに、全然わかってもらえない!」
     →ア「わかってもらえない…」
  または イ「ダメなのに。4月でないと?」
  または ウ「4月…?」

みたいな感じです。

Bについては、ご本人がある程度筋道だった話し方を出来るなら、

B.「4月よ。4月でないとダメなのに、全然わかってもらえない!」
  →「っていうのは?」
   (と言うと?  とおっしゃいますと? …とは?)なども有りです。

*混乱が深いかたは、こちらの問いに答えるよりも
 まず言葉を発して混乱を落ち着ける作業が優先なので、
 この方法は上手くいかないかもしれません。


 *  *  *  *  *

相手の使った言葉をそのまま使わせていただく、
事実を伝え返す
気持ちを伝え返す

上記の3つだけで、かなり会話は持ちますし、相手は話したいことを話やすくなります。

ただ、質疑応答などで時間が限られていて、
なるべく短時間に相手の本意を掴み、
それについて応答しないといけない場面では、
「っていうのは?」などといってのんびりとやりとりしているわけにもいかないので、
そこにはまた異なる工夫が要るのですけど、

困っている人の対応や傾聴という意味では、
それなりに使えることもあるかもしれないし、
「大丈夫ですよ」以外の言葉がけにも通じます♪








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by selfdefence | 2014-02-10 13:38 | つれづれ

女性のためのセルフディフェンスWen-Do Japan代表福多唯です。本当の声をあげたそのとき、世界は変わる☆と信じて、女性の声とエンパワーのための研修・講習・講師養成をしています。


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