2014年 01月 10日

そもそも暴力って何?からはじめるWen-Doの講演(高崎市)

こんにちは。Wen-Doの福多唯です。

1月9日という新年早々、高崎市で活動をなさる
NPO法人「ホワイトベル」さんにお世話になり、
高崎市内のホテルで、Wen-Doを講演でご紹介させていただく機会を得ました。

集まってくださったのは高崎市内で学童保育の職員をなさっている方々です。
性別を問わず、年齢も若めなかたからベテランの方々まで幅広くご参加いただきました。

男性もご参加で、子どもさんと関わるお仕事の方々でいらっしゃるので、
どちらかというと知りたいのは子どもの護身のことでいらっしゃるかもしれないなと考えて、
子どもをとりまく暴力=不審者、いじめや虐待のことなどと絡めながら
『社会的弱者とされる人のセルフディフェンスの力を引き出すのに不可欠なこと』についての講演としてみました。


感想はまだ手元にいただいていないのでここからは私の感じ方というか推測ですが、
多くのかたが、「暴力」に関する研修や講演には
あまり接したことがないようなご様子でした。
私は勝手に、けっこうそうした研修の機会はあるのかと思っていましたσ^_^;

確かに、想像してみれば、子どもに学童で関わる職員さんにとって、
子どもの発達のことだったり、食育系の話題だったり、
遊びやプログラムの工夫やメニューについてだったり、救急救命だったり…など、
優先度が高い研修メニューは限りなくあるものなぁ。


また、普段から講演や研修等に自ら足を運ぶ…というよりも、
職員対象の研修が開催されれば、それには誠実に足を運ぶ…という感じで
ご参加くださった方も多いようだったので、
「女性への暴力や犯罪、その防止」の手前の、
暴力についての基本的な話を多めにしました。


  *  *  *  *  *


私は普段は
『目の前の参加者さんに、護身のスキルをひとつでも覚えていただいて、
 《いざというときにこれをすれば逃げられるかも!》と思ってもらえるようになること』を目標としてWen-Doのワークショップをしています。

その私にとって《暴力についての基本的な話》はだいたい以下のようなもので、
高崎の学童保育職員の皆様への講演でも、下記の要素を入れました。


・暴力とは殴る蹴るだけではない。他に何があるだろうか?
(言葉が強烈で、それゆえにイメージが漠然としていたり偏りがちな『暴力』について、落ち着いて分類し具体的に捉え直す)

と考えてみる…というレベルから始まって、

・言葉や態度が暴力として作用することがあるとしたら、
 そういうときの言葉や態度、行動と、
 暴力とならない言葉や態度…指示・要求・欲求の共有・何かのために闘うこと…等との一線を分つものはなんだろう?

に思いをめぐらしたり
(暴力の核に支配欲求やコントロールすべしという思い込みがある、という理解をする)して、

その上で以下も明確化していきます。

・暴力防止を啓発する側の者(参加者に対して講師、子どもに対して大人、生徒に対して教師…等など)は、暴力的な言動を自分がしてしまっていないか?に
 常に配慮する必要がある。(ということを皆さんと共有する)
     ↓
・しかしそれは、頭で理解・納得していても、実践は非常に難しい。
     ↓
・なぜなら暴力は悪意から生じるものばかりではなく、
 躾や指導を意図してのもの=本人は善意のつもりのケースも多いから。
     ↓
・躾や指導を意図した(悪意からではない)言動が暴力となるのは、
 躾や指導を行う側が、自身の「特権」と、それに伴う責務に無自覚な場合が多い。     ↓
・「特権」に無自覚なとき、
 人は『自分は、目の前のこの相手に、この意図であれば、
    反撃されることなく、自分の思いを通すことが出来る立場だ』と
 自分にとって都合が良く相手にとって抑圧的な言動=暴力的な言動を選んでしまう。



Wen-Doのワークショップでは、上記については言葉で語ることはありませんし、
講師やインストラクターが参加者さんたちとの関わりややりとりの中で、
自身の言動でWen-Doの理念を体現するようにします。
そうして結果的に、参加者さんの中には、
「暴力防止とはこのような姿勢ですることが大切なのだ」という理念の部分を感じ取り、共感・賛同して下さる方も出てきます。

講演では体験的学習はなかなか難しいのですが、
学童保育の職員さんとは上記も共有できればいいなと考えて、
具体例を紹介することでイメージをしていただいて、お伝えしてみました。


例えば、トークの後半には以下のような話を入れました。

「Wen-Doの講座で暴力防止のために活動する私達が、
 どのようなことを心がけるかというと、
 例えば、講座では、参加者さんはあまり講師の近くにはいらっしゃらないので、
 講師側のスペースってガランと空くことがありますよね。
 親子護身術でもそういうことは多々あります。

 そんなときに『こっちにも来なさーい!』ではなくて、
 『こちらもスペースが空いてますよ〜』と事実を伝えるだけの言い方とか、
 『こちらに来ても大丈夫ですよ』と言うとか、
 または参加者を動かすのではなく、混み合っている方に講師が混ざりに行って、
 参加者さんを自然と散らすようにするとか、
 いくつかバリエーションを考えます。

 その上で、講師である自分のキャラや、受講生との関係性にピッタリ来るものを
 意識的に選んで、声かけをします。

 こんな風に、ひとことかける際でも、暴力防止のための活動では
 『私の声かけは抑圧的になってないかな?』
 『もっと他に言い方や方法はないかな?』と
 自身の言動を点検するクセをつけるようにしています」


高崎市の講演でもそのあたりを話したときに、
メモを熱心に取ってくださっている方が大勢いらっしゃいました。
ああ、学童保育の職員さんは、そうした具体的な情報を欲していらっしゃるのかもしれないな…と感じました。

  *  *  *  *  *


講演の最後に、首に手をかけられたときに外す方法を
おひとりお手伝いに出ていただいてデモンストレーションをしました。

やっぱり…というかなんというか、皆さんどよめいてました(笑)。
うん。あんなにも美しいホテルの会場であまりにもそぐわない声ですね ^_^;


でも! あれは皆さんにどよめいていただきたくてやったことではなくて
(いや、完全にそうではないとは言いきれないですけど)、
お子さんにあの方法をお伝えくださる際に、
ぜひとも、あの意気込みと共に伝えてもらいたいのです。

誰も助けてくれる人がいない状況で、加害者のほうが大柄で強そうで。
すごく怖くて。
そんな切迫した状況で、全力を自分のために使うっていうのは、
こういうことなんだよ!!
…という真剣味を、指導する側が本気で表現することが大事だ、と
私は信じているので。
そしてその真剣味はユーモアや楽しさと共に成り立つもので、
決して堅苦しく厳しくするということではないのだ、とも思っているので。


全てが終了して、私はご参加の皆様より先に会場を退出したところ、
後から控え室で、主催団体のスタッフさんが
「唯さんが会場を出てから、男性の職員さんが、あの方法を実際に試して
 やってみていらっしゃいましたよ」
と教えてくださいました。
早速試してみてくださったんですね! ありがとうございます。


お子さんとの関わりでひとつでも何か活用していただけることがあれば嬉しいです。
皆様お世話になりましたm(__)m

e0024978_14571847.jpg

[PR]

by selfdefence | 2014-01-10 15:26 | 講座の御礼


<< 女のスペース・おん 近藤恵子さ...      マイケル・サンデル 白熱教室:... >>