※この記事は、前の記事「DV加害者プログラム研修の記録」の続きです。
【LTSCのステップハウス コスモス について】
・アメリカではステップハウスという言い方ではなく
「トランジッショナル ハウス」と言う。
・DV被害者がシェルターを出た後の、家を探すまでの一時滞在先。
・アメリカでは、ステップハウス事業を行う者は40時間の研修受講が義務づけられる。
『LTSCのステップハウス コスモス』
◎秋の花のコスモスから命名。弱々しく見えても強い花。
◎コスモス滞在中、滞在者はそこでのプログラムをこなしながら、
自立の準備をする。
◎プログラムは1ヶ月~24ヶ月(人により様々)。
◎週に一度は、サービス・コーディネイターとの面接があり、
滞在者のニーズチェック、自立目標までの進捗チェックを行う。
◎支援グループも有。訓練を受けたファシリテーターが入る。
グループに専門のファシリが入ることは非常に重要。
ファシリがいないと、リーダー格のサバイバーが自然に生まれ、
リーダー格サバイバーが何らかのトラブル時に非難対象にされかねないため。
【コスモスに入れるサバイバーとは】
・シェルターを経た人で、次の段階に移る準備が出来ている人
・DVのサバイバー
・裁判所から加害者に対して、接近禁止命令が出ている人
・非暴力を支持する人
*DV被害者が、非暴力支持者とは限らない
・子どもへの虐待をしていない人
・薬物とアルコールのアディクションがない人
・独立する意思のある人
*最も、最初から上記のような人ばかりではないのが現実で、
「守ってもらえる」「何かしてもらえる」という気持ちでコスモスに頼ってくる人もいる。
初回面接時に、コスモスがどのような施設であるのか説明し、理解してもらい、
納得して入居してもらう。
【入所に際しての手続き】
ロサンゼルスの全てのシェルターに共通する申請書があり、それに記入。
・名前
・どのシェルターにいるか
・ケアマネージャーの名前
・国籍
・母語
・英語の理解度
・シェルターを出たことが以前にもあるかどうか
・接近禁止命令が加害者に対して出ているか
・共に暮らす子の人数
・別居している子の人数
・(別居している子がいる場合)その子の現住所
・加害者は子どもの父親かどうか
・加害者の名前、職業、
・加害者の居住地、行動エリア(よく遊びに出かける場所など)
・加害者はどのようなDV行為をしたか
・弁護士はついているか(その名前)
・児童保護局が介入しているかどうか(その担当者)
・他に受けている支援があるか
・コスモスに来てどうしたいのか。
それをしたい/コスモスでなら出来る、と思える理由は?
出された申請書は、LTSCの4人以上の職員が目を通す。チームで取り組む。
プロパティマネジメント担当からふたり。
ソーシャルサービス担当からふたり。
面接も、第一面接、第二面接が必ず行われる。
面接後、職員4人(申請書を読み、面接に立ち会った職員)で、
そのサバイバーの受け入れについて検討する。
*サバイバーがどうか、ということではなく、
自分たちの施設設備や力量、活動主旨で、
その人をお引き受けすることが出来るかどうかを謙虚に検討する。
*アメリカの場合、お断りしても他のステップハウスをご紹介できる。
様々なタイプのステップハウスがあるので、
サバイバーのニーズに沿ったステップハウスをご紹介することが大切。
【入所が決まったら】
サービス・コーディネイターとサバイバーとでプランを作成。
◎週に一度 報告会をし、必要に応じてプラン変更も行う。
◎2週に一度 サポートプログラムに参加。
内容は親業、セラピー、その地域の人々との交流など。
◎入所から6ヶ月間は外泊はできない
【運営】
ステップハウスの運営は以下の提供する助成金や寄付金などの財源によって支えられている。
1)Hud(アーバン ハウジング プログラム)
住宅についての助成。建設や修理等はここの資金にて。
2)ワーキングプアを援助する財団
3)日系人の企業
2)、3)については提携しており、
「どうしても財源が苦しくなったときだけお願いするから、
お願いしたときには、資金援助して欲しい」と契約している。
(援助してもらわない時期もあるし、
いざとなればここがあると思えるのは心強い)
アメリカでは、財団は(?)
収益の○パーセントをコミュニティの社会貢献事業に還元しなければならない
という法律がある。
そのため、お願いしなくても、寄付の申し出をいただけることもある。
4)LTSCのある地域の人々など
5)加害者プログラムからの収入(加害者自身のプログラム参加費)
さらに続きます☆
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